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     ぼくはアンディ! 
        ホテルガルニ・ローリーホフに住んでいる。
        
      地球を征服するために生まれてきた凶悪なウェスティーなのさ!
      
      でも、本当の強者は小さな命を大切にすることも忘れない。
      みなしごの子うさぎたちを救助したことだってあるんだ。
                  
      ぼくはアンディー、怖いものなしのウェスティー! 
         
        みんなが恐怖におののく動物病院だってへっちゃらさ!  
        院長先生に玉を抜かれちゃったこともあったけどね。  
        いつも先生たちやスタッフのみんなに堂々と診てもらうんだ。 
       
        ここでひとつだけ言っておこう。 
         
        なんぴとたりとも、けしてぼくを一人にしてはいけない。  
        そんなことをしたものには、恐ろし災いがふりかかるlことを覚えておくがいい! 
            
      ぼくはアンディー、恐怖の暴君、ウェスティー! 
         
        でも、ママやパパ二人娘の「なお」と「もと」、ローリーホフを訪れるみんなと、
      楽しく暮らすうちに、これでもいいかって思えてきた。
      まぁ、世界征服なんてその気になればいつだってできるし。
         
       
       
        月日が流れ、ずいぶんと面倒見てやった「なお」と「もと」も無事に巣立っていった。 
        そしてママとパパとぼくの3人暮らし。
      まさにぼくの天下だった。 
         
        でも3年位前からおじいちゃんになってきたぼくは腰の調子があまり良くない。
                        
      そして15年目の今年も長い冬が終わり、日差しが暖かくなってきた。 
        冬の間短かった散歩も気持ちよくなって、距離も少しずつ伸びてきた。
       
       
         4月、パパのお母さんが「亡くなった」とか。 
        「なお」と「もと」も戻ってきて、一時だけど、また家族みんながそろって幸せ。 
        でもこの頃からぼくはなんとなく「そのとき」が遠くないのを感じていた。
      だんだん食欲がなくなってきていたゴールデンウィーク。
      スキーシーズン以来の大勢のお客さんが来館。
      うれしくてちょっと無理してはしゃぎ過ぎちゃった。 
         
        そのあと、気がつくとぼくは何も食べられそうもなくなっていた。
      そして、ぼくは「そのとき」がもうすぐだってわかったんだ。
      ぼくはもう無理して食べないことにした。
      大好きだった食後のパパの膝の上での歯磨きももうしないと決めた。
      パパもいったんは無理やり磨こうとしたけど、あきらめてくれた。
      痛みはない、苦しくもない、でももうあまり動けない。
      だんだん水も飲めなくなって、パパが注射器でなめさせてくれる。
      そして数日後、いつものようにパパの足元で寝ていた明け方。
      ぼくには「そのとき」が訪れつつあるのがわかった。 
        なんだか息が苦しい、こんなのは初めて。
      でも、今はまだ「そのとき」じゃない。 
        ママとパパと、遊びに来てくれている冬のアルバイトのふたりに会うまでは・・・
      ママとパパが起きてぼくの様子に気づく。 
        抱き上げられて、くさいウンチが少しだけ出ちゃった。
      食べてないから何日も出てなかったのに。
            バイトのふたりが見守る中パパに抱かれて流しでママがお尻を洗ってくれる。
      お尻があったかくてとっても気持ちいい。
      そしてぼくは「そのとき」を受け入れた。
      ぼくはアンディ・・・
            
      ママとパパと「なお」と「もと」、そしてローリーホフを訪れるみんなと、いつも一緒。
      これからも、ずっと・・・ 
          
        
      
       
                                   20013年5月10日 
         
        アンディをかわいがってくださったみなさん、
      本当にありがとうございました。 
                      奥原 美加子 いたる 
         
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      HOTEL 
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